フジオーゼックスの研究開発
当社では研究開発から量産ものづくりまでを一貫した製品実現プロセスに沿って活動しており、研究、製品設計、エンジニアリング設備、生産技術開発が四位一体となり既存技術深耕と新技術の実現化に取り組んでいます。
特にカーボンニュートラル(以下、CNと記す)への取り組みは、内燃機関の存続に向けて、エンジン自体の燃焼効率の向上やCN燃料に適合するエンジンバルブの開発を行っています。

製品開発
当社は自動車用だけでなく、二輪や船舶・建設機械用のエンジンバルブも開発しており、70年以上に渡る多種多様な実績・経験の蓄積により、要求性能や品質・コストに対して、最適な製品を提案しています。
エンジンバルブに求められる機能として高温・高圧環境下における耐熱強度・耐摩耗などが一般的な要求事項となりますが、近年では燃焼効率向上やカーボンニュートラル燃料の採用に伴いエンジンバルブへの要求はより厳しくなりつつあります。これらの対応として、当社では進化するエンジン性能をサポートします。

対応技術の例
1中空バルブ(軸中空バルブ、傘中空バルブ)
エンジン出力・燃費改善手段として高圧縮比化や理想空燃比領域運転などが採用されるとエンジンバルブは非常に高温になり燃焼室内での異常着火の原因にもなります。
中空弁はエンジンバルブの軸部または傘部を中空構造とし、その中空部にナトリウム(冷媒)を封入したバルブです。ナトリウム封入したエンジンバルブはエンジン運転中に往復運動することでバルブが受けた熱をバルブガイド等を介して抜熱を促進することで、燃焼室に晒される部分の温度を下げることで異常着火を抑制します。
中空弁は初めて零戦のエンジンに搭載された搭載された従来技術になりますが、機能向上・最適化して更なる冷却性の改良開発を進めています。
2鏡面バルブ
燃焼効率改善の手法として燃焼室内の温度を逃がさない様にする「遮熱・断熱」の考え方があります。
これを実現するエンンジンバルブ技術としてバルブの燃焼室側に接する面の鏡面化があります。
燃焼室に接する面を鏡のように磨き、表面積を少なくすることで燃焼室内の熱をバルブが受け難くなります。
3CN燃料対応バルブ
カーボンニュートラルに対する取り組みとしてエンジンメーカー各社ではCN燃料(バイオ燃料、水素燃料など)に対応したエンジン開発が進められています。燃料変化はエンジンバルブにとって使用環境が大きく変わる因子となり、耐摩耗性や耐腐食性などに影響がでるものと推測しています。
各燃料種類によって異なるエンジンバルブへの機能影響を的確に捉え、使用環境に合わせた適切なバルブ仕様の提案をすべく新燃料対応の開発を進めています。


評価技術
エンジンバルブに求められる性能に対して、自社開発製品がその要求値を満足しているかどうかを正確に数値・情報で判断する為の試験・評価技術を開発しています。
部品耐久性に加えて、Na封入中空バルブによる冷却・抜熱機能や鏡面バルブによる遮熱機能などの付加価値機能を有したバルブが採用されており、日々変化する製品機能要求に応じた試験・評価技術にも取り組んでいます。
本社工場敷地内に試験設備を構えているので、迅速な対応が可能となっています。
更に材料開発や評価については大同特殊鋼グループとの連携体制も整っています。
保有評価技術の例
- CAE応力解析
- CAE熱流体解析
- 単体摩耗試験
- 各種材料試験設備
- 実機エンジンベンチ設備



共同研究開発
当社は自社開発だけではなく産・学一体となった研究開発にも取り組んでいます。 エンジンバルブ周辺部品を取り扱うの企業様とのタイアップにより、互いの部品に与える影響や課題を共有することができ、その解決策をスムーズかつ的確に導き出すことができます。また、研究課題によっては大学研究室との協業し、将来技術に対する基礎研究等を行っています。