代表取締役社長 辻本敏

業績について

2022年3月期の決算と今2023年3月期の業績予想を発表致しました。詳しい業績、業務進捗の内容につきましては2022年3月期決算説明会動画をご参照願います。
この一年を振り返りますと、半導体不足やコロナ禍に端を発する自動車部品不足の影響で急変動する供給数量の対応に追われ、年度末にはロシアのウクライナ侵攻が勃発してエネルギー・資源コストの高騰が相次ぎ大変厳しい年であったと思います。
このように大変厳しい経営環境のなかではありますが、生産性改善・原価低減活動にまい進した結果、前回の業績予想を上回る営業利益を確保することができました。
今期におきましては経営環境がますます厳しさを増しており、特に電気・資材等の更なるコスト上昇が確定的で、従来の延長線上での原価低減活動では吸収が困難な状況となっています。今期は課題毎にプロジェクトチームを組織し、抜本的な改善活動を展開することで、昨年度海外子会社が15ヵ月決算となった影響分を除いた実質の業績に対して増収増益を目指してまいります。

太陽光発電について

昨年度より稼働を開始した本社工場900kW、メキシコ工場500kWの太陽光発電は概ね計画どおりの発電量が得られております。パネル1kW当たりの年間発電量は日本では約1,000kWh程度と言われており、またメキシコは日照条件が良好で日本の二倍の発電量が期待できます。グループ全体で2022年第二ステップ4,700kW、2023年第三ステップ4,000kW以上の追加設置を計画しておりましたが、電気単価の急騰を受けこれらの設置時期の前倒しや、規模の拡大を検討してまいります。

社業について

当社は1952年の創業以来、輸送機、産業機械、農機、発電機、船舶などあらゆる内燃機関を製造するお客様に吸気・排気用バルブとその関連製品を供給してまいりました。その間独自の高機能バルブ開発に加え、親会社である大同特殊鋼株式会社とも連携した材料開発、工法・検査技術開発などにより、高度化するお客様のニーズに応えて内燃機関技術の向上を支え、産業基盤の発展に貢献してきたと自負しております。
国として宣言が出されたカーボンニュートラルへの対応として電気自動車への移行が広く伝えられておりますが、現在の電源構成において電気自動車はCO2フリーではありません。日本を含め多くの地域でライフサイクルアセスメント(LCA)での電気自動車のCO2排出量はガソリン車・ディーゼル車を上回っています。これはバッテリー製造及び廃棄時のCO2排出が大きいことによるものです。またバッテリーには希少金属が必要で、昨今のブームによって資源価格の高騰が発生しております。
現在のバッテリーのエネルギー密度は400Wh/kg程度で、次世代では1,000Wh/kgを超える電池が期待されていますが、例えば液体燃料の10,000Wh/kg以上という高エネルギー密度とは比較になりません。物を運ぶということにおいて重量は大変重要なファクターで、貨物より重いバッテリーを運ぶわけにはいきませんので、一定の領域において内燃機関の活用は今後とも必要と思われます。しかしながらそのための燃料は化石由来から脱却する必要があります。最近メタネーション、e-fuel、水素エンジンなどのキーワードに象徴される代替燃料の議論が行われるようになってきました。このように輸送機器における脱炭素は電動、そしてカーボンニュートラル燃料の内燃機関の合わせ技で達成されていくものと考えられ、当社もすでにお客様との共同基礎開発を始めております。当社の本業においては今後も引き続き予想される燃焼技術や燃料の変化に備え、先読みによるシーズ開発によって引き出しを充実させ、短期化する開発期間においてもご満足いただける提案でお客様のご要望に応えていく所存であります。
しかしながら現在の社会情勢に鑑みて、当社が本業で更なる成長を図っていくことには困難が予想されます。そこでSDGs達成貢献を念頭に置いた新事業開発(新事業探索3つのアプローチとして有望企業のM&A探索、成長分野・シナジーを活かした新事業探索、連結子会社関連の新事業探索)にも取り組んでおります。今後10年で本業に並び立つ成長事業とすることを目標に現中期経営計画期間をそのスタート点と位置づけ経営資源を配分していきます。

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