代表取締役社長 辻本敏

業績について

2022年3月期第二四半期の決算を発表致しました。第一四半期から継続している半導体不足に加えて、東南アジアでの新型コロナ感染拡大で部品調達が滞り、顧客自動車メーカーの減産調整が現在も続いております。夏以降の受注急減により、残念ながら第二四半期の結果は業績予想を達成することができませんでした。現在東南アジアの新型コロナ感染状況については収束期に入ったとみられ、ロックダウン等の規制も緩和されつつあり、年内での自動車部品供給の正常化が期待されますが、半導体については顧客自動車メーカーもいまだ見通しがついてない状況に変化はありません。さらに第三四半期以降では原燃料価格の高騰の影響が顕在化します。特に影響を受けるのが、ニッケルなどの合金元素価格と鉄スクラップ価格で鉄鋼素材価格がサーチャージにより上昇します。当社からの販売についてもサーチャージを行っておりますが、約半年の時期ずれがあり、そのスライドギャップにより、下期では価格転嫁が遅れ大幅な減益要因が発生いたします。半導体問題の年度内収束は見通せず、挽回は来年度以降との前提で素材価格高騰の影響も勘案しますと通期業績予想は下方修正せざるを得ないと判断させていただきました。

さて今四半期の事業計画の進捗状況ですが、まず設備投資については今期の重点として全拠点で進めている太陽光発電事業においてメキシコ工場にてグループ最初の太陽光発電設備500kwが稼働を開始しました。メキシコは日照条件が良好で、この第一ステップの設備は工場電力の20%をまかなう規模となります。今後さらに追加投資を行って最終的には50%のカバーまで到達したいと考えております。また静岡本社工場においても2022年1月には第一ステップ1000kwが完工の予定であり、これが第二弾となります。これらによって本年度内にCO2削減に加えてコスト削減効果も発現し始めます。今後、今中期計画期間内(2023年度まで)に全拠点にて最大限の太陽光発電設置を図ってまいります。次に技術開発ですが新商品として生産技術開発を進めておりました鏡面バルブについてこのほど工法確立が完了し特許査定に至りました。鏡面バルブはエンジンの熱効率向上効果が期待されており、まだ量産車での採用事例は少なく、多くの自動車メーカーにおいてはエンジン適用の検討段階の商品ですが、将来のヒット商品に育つ可能性を秘めていると考えさらに生産技術を磨いてまいります。最後に新事業開発です。現在以下の3通りのアプローチで探索を継続しております。➀分野を限定しない継承事業案件②グループシナジーを活用できる事業③子会社事業の拡大。➀については多数の紹介案件が寄せられており、そのほとんどが後継者問題によるもので、日本の産業構造が少子高齢化の打撃を受ける時が迫っていることを実感させられております。②については今後成長が期待される医療、半導体、航空宇宙などの領域を重点に探索しております。これらの中から将来の第二の柱となりうる事業の種子をなんとか今中期計画期間中に見つけ出し、事業化実行の着手を図りたいと考えております。

乗用車の実需自体は堅調であり、半導体問題解消時には在庫補填を含めた挽回需要が来ることは確実ですので、今期取り逃がした利益についても来期以降回収するべく準備を整えてまいります。当社株主の皆様におかれましては、何卒ご理解を賜り今後とも変わらぬご支援をお願い申し上げます。

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